ミートアップのアンケートを作るときのこだわりと気をつけていること

社内でミートアップのアンケートを作るときのポイントとか教えてくださいって言われたのでまとめます。

tl;dr

  • アンケートの意義を定義する
  • イベントに関わる全てのロールに対してフィードバックが行われるアンケートづくりを心がける
  • アンケートの回収率は高ければ高いほど良く、手軽に入力できると良い

アンケートの意義

そもそもなんでアンケートを作るのか。というのを決めておくと良い。アンケートはただ作るだけではなく、定量的なKPIを集めるための方法であり、参加者の生の声を集める方法でもある。つまりはデータ分析とユーザーインタビューを同時に行うことができる非常に有効なシステムということを意識して作っておくと次に繋がりやすい。

例えば企業主催であればそれが採用に繋がったかやどれくらいがファンになってくれたかなどを図りやすい項目があると良い、コミュニティでやってるならスタッフのモチベーションが続きやすいものが良い、小規模イベントであれば次の企画のアイデアとなるようなフィードバックがあると良いなど、アンケートに色んな想いを込めることができる。

よくある項目に行き着いたとしても、そのデータ活用方法を決めておくと後から便利になったりする。あと、決めておかないと無闇矢鱈に項目が増えてアンケート回収率が下がる。

できるだけ多くの人に開示できるアンケートを作る

ミートアップ、一回やるだけで非常に多くの人が関係してくる。企業運営とコミュニティ運営によって変わるが、大体以下はいる。

  • イベント Committiee (オーガナイザー及びそのスタッフ)
  • 当日協力スタッフ
  • 会場・ケータリングスポンサー
  • 登壇者
  • 来場者

そして、それぞれ欲しているものは違う。

  • Committiee
    • 次のイベントがうまくいくような情報や今後のイベント継続のための満足度、このイベントがしっかり伸びているか
  • 当日協力スタッフ
    • 自分がこのイベントに貢献できて少しでも自身のバリューをどこかに示せたか
  • スポンサー
    • ブランディングや採用につながるのか、どういった属性の人と接点を持てたか
  • 登壇者
    • 自身の登壇内容が良かったのか悪かったのか
    • 発表したことによる学びや改善点があったか
  • 来場者
    • 興味本位

単純に見えて非常に多い関係者のどの層に対してどういった内容を提出すると良いのかを意識して、できるだけ多くの人に(結果が良いか悪いかは別として)納得のいく資料に仕上げるのがアンケートの役目だと思う。

なので、これを意識して作ると良い。

実際にやっていること

それでいて私が関わる場合に実際にやっていること。

  • セッションに対して個別のフィードバックフォームを作る
    • 個人的にミートアップをやるなら絶対にやってほしい
      • 企業ベースだと難しいかも知れないが、コミュニティはこれだけで活発度が大きく変わるはず
    • 参加者は日々増えていくが、登壇者は得るものがないと去ってしまう
    • 無償でコストをかけてくれた登壇者へのフィードバックを厚くすることは持続可能性に大きく貢献する
  • 運営に対するフィードバックは () 書きをつけて例を出してやる
    • 「その他運営へと伝えたいことがあれば」みたいに抽象的に書くと「ごはんがおいしかったです」とか「オフィスが綺麗でした」とかが多くなりがち
    • (イベントの全体進行やスケジュールなど) と書くとイベントの課題点が見つかりやすい
    • KPT の参考にもなる上、運営スタッフの意識と齟齬がないかも確認しやすくて良い
  • 参加者の属性はイベントごとにカスタムしてとる
    • フロントエンドのイベントならマークアップWebデザイナー・フロントエンドエンジニアまで分けても良い
    • クラウドインフラのイベントならオンプレのインフラエンジニアとクラウドのインフラエンジニアまで分けても良い
    • 本当に狙っている層が来ているのかが大切
  • アンケートの回収率を高めるため bit.ly と QR コードを使う
    • QR コードは最近増えてきて割と回収率に貢献していると思う
    • 一方でみんな MacBook 開いてるのに QR が馬鹿らしいときも多いので、 bit.ly/event-name みたいなものを併記してやるとより回収率が上がる
  • クロージングの前に一度アナウンスをする
    • セッションが終わったら早々に変える人も多いので、途中で最後にアンケートがある旨を伝えておくと良い
    • ぶっちゃけ休憩時間中にアンケートのQRを出していても良い。全部埋まってなくても、途中退出の人が途中までの感想をくれるだけでも十分
  • 懇親会の前に QR を出して出しっぱだと良い
    • アンケートするタイミングは人によって違う
    • ぼっちの人が暇潰せる意味でも良い
  • アンケートは「良かったかどうか」より「人におすすめしたいかどうか」で取るほうが良い
    • いわゆる NPS というやつ
    • どっちやってもそんなに変わらないと思ってたけど、 NPS が浸透してきたのか割と変わったっぽい
      • これは NPS に割とこだわってるっぽかったうちの上司の @kawasako3 から輸入して今年から方方で始めたけどよかった
    • どうせ「よかった」しか書かないので、それよりは「よかった上で人にも来てほしいか」のほうが良さそう

余談

アンケートは資料であって目的ではないので、アンケートの結果にこだわるよりアンケートのデータを然るべき人たちに適切に届けられるのが一番幸せだと思っています。あと、アンケートはそもそもめっちゃ良いかめっちゃ悪いかの人に集計結果が偏りがちな媒体なので、何かもう少しフェアなものがないかなと思うときもあります。

追記

2019/12/13: 14:30

「順番とかアンケートの量も知りたい」というのがあったので追記。

  • アンケートの量にはこだわらず、 必須項目の数 に目を向ける
    • 開発者向けミートアップならみんな自分で情報をフィルタリングできるとある程度思って良い
    • 必須が少なくて、書きたいことを書いたら送れるだけで回収率は高まる
  • はじめに属性、次の登壇者FBと運営FB、最後にNPSが良い
    • はじめに属性や NPS をやりきって後ろで自由入力が多いが個人的には悪手だと思っている
    • イベントの内容を反芻してもらった上で最終的な評価をつけてもらったほうが良い
    • 初手で属性の選択から始まってライトに回答してもらう、次の登壇者のフィードバックを書いてイベントを思い返してもらい、最後に評価をつけてもらう
    • NPSより後にはその他何かあれば以外は入るべきではない